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西表島の朝は遅い。 気持ちが高ぶっているせいか、５時半頃に目が覚めた。外はまだ、夜でした。 ６時になってやっと明るくなってきました。鳴海君は、まだいびきをかいて寝ている。 「散歩にでも行くか。」鳴海君を起こさないようにそっと部屋を出る。 民宿の裏手の方に向かう。５分ほど行くと砂浜に出た。 「結構海に近いんだ。ロッド持ってくれば良かったかな」などと思う。 ダイビングの船が３〜４隻泊まっている。すごいカラフルだ。 浮桟橋を先端まで歩き、海の中を覗くが魚は全然見えない。 「ここで釣れるかな、後で洋ちゃんに聞いてみよっと」 ９時出発が、８時半出発に変更になり急いで荷物を外に出す。 「がまかつ」チームと一緒の車に乗り、港に向かう。 相変わらず、港には何もない。防波堤と公衆トイレがあるだけだ。 「がまかつ」チームは、クイラ川に行き撮影だそうだ。 私たちは、宮城さんの37フィート船。 彼らは、洋ちゃんの24フィート船なのだが、こちらの船にも何人か乗り河口まで一緒に行く。 河口に着き彼らを移動させ、出発を見送る。 「お待たせしました。トレバリーに行きましょう」宮城さんが言う。 「よーし」さらに気合いが入る。 「午前中に１本ずつあげて、気持ちを楽にしよう」と鳴海君に言う。 「早めにあげちゃいましょう」と鳴海君。 「大丈夫、出ますよ」とこばちゃん。 今日は、こばちゃんがデッキハンドとして一緒に乗っています。 |
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西表では、主に沖目のドロップを狙います。 ドロップの風上に船を止め流されながらキャストすることになります。 ですから走っていても、「そろそろポイントかなー」と思うことはほとんどありません。 キャプテンが山立てを始めるとやっとそれと解るぐらいです。 「さあ、始めましょう。左側にキャストして」 私が船の前の方に立ち、真ん中に鳴海君というポジションで始める。 ルアーは、私がマリンボックス・オリジナルジャークベイト。 鳴海君が、シマノのＧＴビデオで感化されたテクノガーラ。 私の何回目かのキャストでPEラインがトラブル。ちょっとやそっとでは、ほどけそうにない。 時間がもったいないのでチャーマス90Ｈで、ポッピング＆ジャークすることにする。 早引きより、ポッピング＆ジャークの方が全然楽である。 横で見ていると、鳴海君の飛距離が出ない。私と比べて20〜30mは少ない。 「キャスティング練習はしたか？」 「しようしようと思っていたけど、出来ませんでした。」と鳴海君。 「午前中は練習のつもりでやった方がいいかも」と私。 |
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ポイントを２、３回変えて、ルアーもツルポップに変え再び沖のドロップ、午前１０時半頃。 何回かキャストした後、海をみると船の舳からドロップのエッジが船と垂直方向にずっと延びている。 「このエッジ沿いにルアーを通してみよう」と思い、キャスト。 70m程飛び、糸ふけをとりポッピング開始。 １発、２発、３発目のポッピング後にルアーの付近で１ｍ位の水柱があがる。 「でたー」誰かが叫ぶ、その声が自分なのか誰なのか分からない。 「のってるか？フッキングは」宮城さんが言う。 ポッピングの直後なので糸ふけが出ている。素早く巻きフッキング。フッキング。フッキング。 ３回もあわせてしまった。重い手応え。 「よーし」今度は魚が走る。 4.5Kgにセットしたドラッグを簡単に引き出している。 「沖が左ですから、ロッドを右倒しにして下さい。それから前に行ってファイトしましょう。 それから巻けるときにどんどん巻いて下さい。」と、こばちゃんの声が聞こえる。 ふと後ろを見るとさっきまでジギングをしていた宮城さんは、操舵室に入って船を動かしているし、 こばちゃんも私の後ろにいてマンタベルトを持ってきている。 「ロッドを倒して！」こばちゃんがもう一度言う。お立ち台に上り、ロッドを倒す。 船を回り込ませているのだろう、リールが時々巻けるようになった。 再び魚が走る。ドラッグが止まらない。 ドッラグテンションもロッドの耐力もまだ余裕があるので、ドラッグを半回転程締める。 ロッドを倒しながらファイトしているので非常に動きにくい。 ロッドエンドが左の脇の下に入って右倒し、そして横でポンピング。魚が止まる。 「ロッドはもう倒さなくていいですよ」こばちゃんの声。 海の色が変わっている。うまく沖に誘導できたみたいだ。 「魚も止まったし、後はリフティングです。」こばちゃんのアドバイスがちょっと嬉しい。 ロッドエンドをマンタベルトに入れ、リフティング開始。 寄ったり出されたりしながらも、魚は確実に浮いてくる。 海面がギラギラ輝いてきた。 青くない、カスミじゃない。ＧＴだ！ ショックリーダーが見えてきた。 「こっちに寄せて下さい」こばちゃんがギャフを持って言う。魚が浮く、やはりＧＴ。 こばちゃんがリーダーを掴む。ベールを返してラインを出す。こばちゃんのギャフがななかな掛からない。 「ギャフ掛け、しっかりしろ」宮城さんの声がかかる。 いつの間にかホースから水が出ており、デッキが濡れている。ギャフが掛かりランディング。 「おーいいサイズだ。」と私。すぐに口にホースを突っ込み、海水を通わせる。 「ペンチあります？」こばちゃんにペンチを渡す。フックは僅か３ミリ位しか掛かっていない。本当に皮一枚だ。 「皮一枚なので、ギャフ掛けに緊張しちゃって」とこばちゃん。 ＧＴを抱え記念写真。 「何キロくらいですか。」 「８キロクラスですね。」とこばちゃん。 「いや、太っているから10キロあるかもしれない。」と宮城さん。 10キロと聞き、少し顔がゆるむ。 「リリースします。」何もなかったように泳いでいく。元気そうだ。 「やったー、ファーストＧＴだ。 こばちゃんありがとう。 宮城さんありがとう。」 |
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チャーマスロッドに魂入れが済んだので、これからはスゥエルズ86パワーエディションを使うことにする。 今朝のライントラブルが解けそうにないので、替スプールに変える。 私に１本出たので、鳴海君を前に立たせ再び始める。 「次は君の番だよ。早めに釣ろうぜ。」と鳴海君にプレッシャーをかける。 しかし、しばらくノーヒット。 昼飯を食って始めるもノーヒット。 ルアーを変え、ポイントを変えるもノーヒットは続く。 |
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大きくポイントを変え、西表島と鳩間島の間のポイントへ。 しばらくすると、小さな鳥山が立つ。「あれはカツオのナブラだよ。」と宮城さん。 メタルジグを投げるが、鳥山を追いきれない。すごいスピードだ。 「ああいうナブラにもカスミアジなんかが ついている時があるから追ってみましょう。」しばらくやるがノーヒット。 再びドロップに戻る。「ナブラが立つ時は、ＧＴの活性もあがるんですよ」とこばちゃん。 しばらく投げていると、３Ｍ位の水深のところが近づいてきた。 「もう投げないで！あそこヒットしても取れないから。」船を戻し、少しずらした処を流す。 又浅いところが近づく、投げていいのかなーと思いながらリーフの入り組んでる処にキャスト。 良いところに入ったなーと思いポッピング。最初か２回目のポッピングでヒット！フッキング！のっている。 「右倒しです！」右に倒す。船が走る。 「次、左倒しです。最初の根はかわしました。擦れている？」ロッドを左に倒す。 「大丈夫擦れてません！」その瞬間、ふっと軽くなる。 「あ、バレた。」リールを巻くと、ルアーが無くスイベルだけが上がってきた。 フィッシャーマンの160lbの強力スイベルがくの字に曲がって、ロックが外れている。 リーダーは全然擦れていない。 「今のは取れてたね。さっきより大きかったんじゃない」と宮城さん。 うーん悔しい。 １日目終了。 |
今日のタックル（トレバリー用） |
 TOORUのタックル その１
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TOORUのタックル その２
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 鳴海君のタックル その１
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鳴海君のタックル その２
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