2004年２月10日〜18日・ニュージーランド・ギズボーン

４時半にセットして置いた携帯のアラームで目を覚ます。流石にこの時間では朝飯は要らない・・・。ごそごそしていると、中野ちゃんも起き出して、日本から持ってきたインスタント味噌汁を飲んでいる・・・（笑）。 　外にでてみると霧雨がほのかに降っていた。夏といえどもTシャツ短パンでは肌寒い。夕べ寝る前に準備しておいた薄手のカッパを着込む。モーテルに預けておく荷物を部屋の真ん中に集め、その他のタックルをドア前の通路に運び出す・・・。 　隣の鎌田さんの部屋には起き出している気配が何となく無い・・・。「ま、年寄りだし（爆）、５時になれば出てくるだろう〜」と思っていると、真っ赤なパジェロがやってきた。おいら達のタックルの前にピタリと止まった。どうやら迎えに来た船長のようだ。		髭モジャのそんなに大きくはない男が降りてきた。「もーにん」と声をかける。船長とガッチリと握手する。「ムナディか？？？」とおいらに聞くが・・・。「ちょっと待ってね」と言う。彼らはまだ部屋から出てこなかった・・・。 　「こりゃ、爆睡か？」と思いドアのノブを回す。鍵がかかって無くて（オイオイ）、すんなり開いた。部屋の中は真っ暗・・・。「やっぱり寝てたか〜」と電気のスイッチをつけて中に入る。「ムナディさ〜〜〜ん、船長が来たよ〜」と声をかける。 　「う〜〜〜〜ん」とムナディさんが目覚めた（爆笑）。「ムナディさん、もう５時過ぎたよ〜」と続ける。船長も続いて部屋に入ってきた。ムナディさんは事情が飲み込めたらしく「シマッタ、ヤッテモウタ・・・」という顔で「ゴメンナサイ。５フンマッテクダサイ、スグジュンビシマス・・・」と言う。		どっちみちパジェロはショートボディだったので、タックル＋全員は一度に運べないようだった・・・。積めるだけ積んで、おいらと中野さんが第１陣となって船に送ってもらった。すぐ前の港なので３分ほどで到着。さっき詰め込んだタックルを降ろす。船長がタックルを運びながら船に案内してくれた。 　船には若いあんちゃんが出港の準備をしていた。船長は「ヒー　イズ　ガフ」と紹介してくれた。ここでもガッチリと握手する。船長もガフも手が大きくて、力強さと安心感が伝わってくる（笑）。船長はすぐにモーテルに戻った。降ろしたタックルを船に積み込んでいると船長が戻ってきて、第２陣到着。タックルもバタバタと積み込んで、出港する。
目的のポイントは「ランフェリーバンクス」と言うところで、かなり時間がかかるらしい・・・。まだ頭も体も目覚めていないようでボーっとしていると、ガフが来てコーヒーを入れてくれた。 　その特大のマグカップは飲んでも飲んでも全然減らなかった。そのうちトーストも焼きあがり朝食とする。コーヒーを飲み終えても何もすることがないので、ベッドに転がり込んでもう一度眠る（笑）。 　途中目を覚ますと、船尾にはいつの間にかトローリングタックル３本がセットされていて引っ張っていた。「しばらくおいら達の出番はないな〜」と思い、また寝る。今度は急なスロットルの音で目が覚めた。トローリングになんかヒットしたらしい・・・が、すぐバレタらしい。		流石に目が覚め、ベッドから這い出す。ポイントにはまだ着かない・・・。ベンチに座っているとまた眠ってしまった。今度は良い匂いがして目が覚めた。すると昼食のミートパイが焼けていた。「もう昼なのか・・・」と思う。 　みんなは楕円型のパイを食っていたので、おいらはまん丸のを食った。中はハム＆卵だった。「ちょっとむっついかな〜」と思いながら食べていると、「このパイ旨いね〜、肉汁がじゅ〜っと出　てくる」と中野ちゃんが言う。「む、失敗したな〜」と思うおいらだった。 　「もう１個ミートパイの方を食うかな〜」と迷っていると、エンジン音が低くなる。やっとポイントに到着したようだ。朝５時に出港してポイント到着したの午後２時前・・・、ここまで無茶苦茶遠かった感じ・・・（遠い目）。		「よ〜っし、やるぞ＼(^_^)／」という感じでロッドを握りしめる。いきなりの650gマグナムサンメでは体に悪そうな感じがしたので、ウォーミングアップ代わりにPE４号ベイトタックルに３５０gツルジグを結ぶ。船縁に並び、船長の合図を待ってジギング開始する。 　マグナムサンメを使って真っ先に落とし込んでいたムナディさんから「あ、当たったけど乗らない・・・」という声があがる。その一声にもの凄く気合いが入る・・・。キャビンと船縁の間の狭い通路の方に空いている場所に入り、おいらも開始。最初はノーヒット。 　すぐに再投入。底をとって中層までゆっくり目にジャークする・・・とコツンとヒット。慎重にマンタベルトにグリップエンドを差し込み「よっこらっせ〜」リフトアップする・・・。３リフト目位でするっとバレた・・・（泣）。リールを巻く抵抗が皆無になった。「あ、切れた・・・」と思う。
「もしやバラクーダ系か？」と思って回収すると、のぁ〜〜〜んとノットが抜けていた（ちゅーどんどん）。しかもみんなが船中最初のヒットなので大注目・・・、しかしその反動で爆笑の渦。船長からは上の操舵室から「バッドノット！」と罵声が飛ぶ・・・。 　何故か普段やらないような「ダブルクリンチノット改」みたいなノットで結んだのだった。のっけからジグロスト１がつらい。急いでキャビンに戻りジグバッグからアシストフックとジグを取り出す。ジグは再びツルジグ350g。普段使っているノットで結束。しかも端糸で丁寧に編み上げ万全の構えだ（笑）。 　そうしている間に魚があがり始めた。おいらのノットを引きちぎっていったのは（違）、２キロ前後のジュニアキングフィッシュだったのが判明（笑）。船の下にいるのがこのサイズばかりなのか？同じサイズの入れ食いが続く。その中で中野ちゃんが、小型ながらシマアジを釣り上げる。「キープ！キープ！キープ！」おいら達の声が飛び交う（笑）。中野ちゃん一躍ヒーローに・・・。		鎌田さんは数日前からの新作「マグナムサンメ・スーパーライト」を使った・・・。大きさの割には無茶苦茶軽い・・・。ジグとしてはその軽さが致命的な失敗だった（笑）。なんといつまで経ってもジグが沈んでいかず目視できるエリアで漂っていた・・・。沈みきらないうちに船長から「あげて〜」と声がかかった（笑）。 　おいらも釣りに復活しポンポンと連続ヒット＼(^_^)／。ヒットするとデッキハンドのガフ君がすぐに真剣な顔をしてランディングのために寄ってくる。おいらが「ツーキロ、ツーキロ」というと表情が和む。 　ポイント移動しても２キロが釣れ続く。「ならば・・・」と思い、PE２号のサクラマスジギングのタックルを持ち出した。ジグも90gツルジグを結ぶ。「さぁ、これで遊んだる・・・」と思いきや、ムナディさん？が５キロクラスを釣った。サイズアップ！ 　「流石にあのサイズじゃやばいかな？」と思いライトタックルを思いとどまる。すると２キロがまた釣れ続いたので、見送ったサクラマスタックル投入する。小さいジグはアピールが足りないのか、なかなかヒットしなかった（泣）。		２〜３投目ようやく狙い通りにヒットする・・・(^^)v。キュルキュルキュルという感じでロッドを満月にしてラインを引き出していく。無茶苦茶楽しい・・・(^-^)/。ガフ君が驚いた感じで急いで隣にやって来た。「大きいのか〜？」という表情をしたので、「ツーキロ、ツーキロ」と言う（笑）。 　全然無理は出来ないタックルなので時間を掛けてランディング。リーダーだけは60ポンドなのでリーダーを掴んで引き抜いた。予想通りツーキロのサイズだった。しかし、このタックルだとあまりにもコントロールが効かずみんなに迷惑なので、元のベイトタックルに戻すことにした。 　ポイント移動を繰り返していると、アベレージが５キロクラスに上がってきた。中野ちゃんはヘビータックルからミディアムタックルの６オンスジグに変え、マダイ、キングを好調に釣り続ける。中野ちゃんは、コツコツとバイトがあるとジグを止めて食わせの釣りをしていた・・・。なんか釣りが違うような〜〜〜（笑）。 　その中野ちゃんから「あれ引かないぞ〜」と言って巻いている。すると・・・、念願のハプカ（アラ）登場。「キープ！キープ！キープ！」の声が再び船中に響く。今回のメインターゲットなので皆喜ぶ。口々に「今夜は鍋だ〜」と言っている・・・。
相変わらずベイトタックルで遅めの食わせるジギングでサイズの上がらなかったいらにムナディさんから「TOORUさん、早引きの方がデカイのが食うよ・・・」とアドバイス。素直で正直者のおいらはタックルそのままで目一杯のジギング・・・・・・・・・、ガツンとヒット＼(^_^)／。 　ドラグをそこそこ締めていたのでロッドが思いっきり曲がる・・・、しかも魚は船の真下に一直線・・・。「やばいな〜折れるかな？」と思う。。。マンタベルトからグリップを抜こうとするが巧く抜けない・・・、「ヤバイ」もがくおいら・・・。 　するとその瞬間魚が更に真下方向へ突っ走る・・・、焦るおいらにタイミング良く横波も襲う・　・・、「あ」と思うまもなくおいらのの腰がふわりと浮いた（あ〜）。船縁から落ちそうになるおいら・・・（あ〜〜〜）。 　あわてててキャプテンがおいらのマンタベルトを掴んでくれた・・・。まさに危機一髪！「あぶね〜」みんなから声がした・・・。その後は何事もなかったようにランディング。７〜８キロクラスのキングフィッシュだった。それにしてもおいらを引っ張り込むとは・・・、恐るべしニュージーのキングフィッシュ（違）。おいらは気持ちを落ち着けるため（ドキドキドキ）、ちょっと休憩。		キャビンで休んでいると、「うあ〜」「お〜」とか声が聞こえて騒がしい雰囲気。キャビンから出てみると、ガフ君がキングフィッシュを抱いたままずぶ濡れで後部デッキの踊り場に座り込んでいた。ムナディさんに聞くと取り込みするとき勢い余って海に落ちたらしい（笑）。ガフ君は都合悪そうに笑っていた。 　すぐにキャビンに戻りカメラを持って引き返し、座り込んでいるガフ君を撮る。落ちたときの写真を撮れなかったのが、もの凄く残念・・・（爆）。「ちゃんと撮っていたら今回のHPネタの表紙になっていたろうに・・・」と思う。 　釣りに復活。まだ誰にも１０キロオーバーが出ないのでベイトタックルで続行する。ボトムをとってジャークしてくるが時々ゴツゴツとあたるだけでなかなかヒットしない・・・。「リーダーが見えてきたな〜」と思ったら・・・、ジグの後から４〜５キロのキングの群れ（およそ２０〜３０匹）が団子になってチェイスしてきた。 　「す、すげー」と驚くまもなくジグがトップウォーター状態でスキップ・・・、それがスイッチになったのか群れの先頭のキングが猛ダッシュ・・・、「ヒット！＼(^_^)／」水面で掛けたキングは元気５００％って感じで、真下に向かって潜る潜る潜る・・・。		おいらは何故か「すまん〜すまん〜」と謝る（笑）。中野さんが隣で「今、見ましたよ凄かったですね〜」と言っている。キングの元気さもやがて無くなり、さらりとランディング。このとき「キャスティングタックルを組み立てペンシル引こうか・・・」と思ったが、船縁に並ぶ　ロッドの多さとさっきから徐々に強くなってきた風を考え断念する。 　ムナディさんも入れ食い状態が続いていたので、一休みする。デッキのガフ君に「ジギングにチャレンジしてみるかい？」と誘っている。ガフ君も「おーっし、やってみるか〜」と結構その気（笑）。ムナディさんのマグナムサンメの付いたスピニングタックルで釣り開始・・・。 　ジャークの動作が昔のSFロボットのようにぎこちない（笑）。それでもヒットしてしまうニュージーのキング（爆）「HIT!」ムナディさんのぎっちり締めたドラグに苦戦するガフ君（笑）。結構やられまくったが、何とか魚が浮いてきた。７〜９キロって感じのナイスキングだった。 　しかしガフ君はそのしんどさに懲りたのか二度とロッドを手にすることは無かったのであった・・・（笑）。その後ムナディさん復活するも、鎌田さんも休憩。おいらも「初日はこんなモンだろ〜」と余裕の休憩。
中野さんとムナディさんで８〜１０キロキングの入れ食い合戦が続く・・・。時々おいらの方を振り返り「TOORUさん、どうぞ・・・」と誘うが、おいら休憩続行（笑）。そんな２人をみて船長はポイント移動。深いところに行ってハプカ狙いに変更するとのこと・・・。 　１〜２時間走ってポイント到着。ハプカ狙いと聞いて、鎌田さんがむっくりと起きあがり釣りに復活。おいら以外の３人が右舷に並んだ。水深１５０ｍと聞き、オマツリを危惧しおいらは様子見。「ハプカは底から３０ｍまでだよ〜」とムナディさんがアドバイスする。 　「あ、あたった〜」と鎌田さん。しかし「ヒット！」とはムナディさん（笑）。「そんなに大きくないね〜」と言いながらランディング。６〜７キロかな？って感じ。おいらもいよいよサンメ360gをスピニングタックルに結び、ムナディさんと交代する。 　潮が効いているのかラインが流され右舷で釣りしていたのが全員左舷に移動していた。左舷の隙間に入り、ジグ投入。底をとってゆっくりと30m位までジャークしフォール・・・。もう一度ジャークしてるとゴツンとヒット。		「ヒット！」とおいらの声が響く。「TOORUさんヒットね・・・」とムナディさん。「ヒットー！」と隣の鎌田さんが続く。 　「ダブルヒットじゃん＼(^_^)／」鎌田さんとおいらの笑い声がランフェリーバンクスに響いたに違いない（笑）。これで全員ハプカゲット。みんなの顔に笑いがみなぎる。船長も満足したのか今晩の係留場所に向かおうと言う。 　「今日は初日だからこの辺で勘弁しておくか〜」と船長の提案を了解する。再び１〜２時間移動してヒックスベイという風裏の湾に入りアンカー投入。「晩飯は何を食う？」という船長においら達は「ハプカで鍋・・・」と答える。 　「初日だしとりあえず一番小さいのを食ってみるか〜〜〜」と決定する。中野さんが魚の解体に取りかかる。ついでなので「シマアジも刺身で食べよう〜」と決定。 　今日の晩飯メニューの予定。 　・ハプカの水炊き鍋 　・ハプカの刺身 　・シマアジの刺身		おおよそ解体終了した頃に鍋にとりかかる。お湯を沸かしハプカのアラを霜降りにして臭みを取る。その後わざわざ青森から持ってきた日高昆布で出汁をとり、順次投入する。野菜はネギのみだが見るからに旨そう。更に青森から持ってきたポン酢登場（笑）。 　食ってみると・・・、上品な出汁がメチャ旨い。船長とガフ君にも食わせてみる。ガフ君にはポン酢をかけてやった。一応？「旨い」と言っていたが、それ以上鍋を分けてやる度量はなかった（笑）。刺身に切った身も鍋の出汁に絡め、しゃぶしゃぶ風にして食う・・・。これもまた絶品。 　おおかた鍋を食った後、うどんの登場だ。もう一度鍋に火をつけ暖める。その後うどん３玉投入。ネギもみじん切りにしてうどんに振りかける。「うめ〜」「うめ〜」の連呼。 　ニュージーでハプカ鍋にうどんを食ったという人はそうはいないだろう〜（笑） 　ハプカ鍋に気をよくしたガフ君が「じゃ、明日は早起きして潜って伊勢エビを取ってくるぞ〜」　と宣言。 　明日が楽しみじゃ〜＼(^_^)／

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