2004年２月10日〜18日・ニュージーランド・ギズボーン

夜中に「ごぉ〜〜〜ピューピューピュー」という音に目が覚める。なんか外は爆風が吹いているようだ・・・。その凄まじい音に「こりゃ〜今日は終わったな・・・（泣）」と思い、また寝る。更に何度か爆風で目が覚める。 　朝起きるとガフ君が既に潜った後らしくウェットスーツを濡らして着ていた。潜ったけど伊勢エビは見えなかったので、アワビとウニを取ってきたと言っていた。船尾のシンクに行ってみると、真っ黒なアワビが７〜８個と２個のウニがあった。		「あんちゃん、よくやった＼(^_^)／」と健闘をたたえる。ガフ君曰く「自分はウニが好きではないから取ってこなかったけれど、一杯ある」そうだ。目覚めからウニ＆アワビでもないので、船長手作りのベーコン＆エッグ＋トーストの朝食を食べる。 　このベーコンが日本のとは違うのか、滅茶苦茶旨かった。同じハムソーセージ類でもサラミとは違い日本人の口にも合うようだ。大盛りのコーヒーと共においしく頂いた。外の天気はまずまずで、夕べ起こされた風もそんなに強くないような感じだった・・・。		船長も「じゃ行ってみるか〜」とアンカーを上げスロットルオン・・・。５〜１０分ほど走って湾から出ると次第にうねりが出てきた。更に５分ほどすると周囲に掴まっていないと体が保持できなくなった。「船長〜大丈夫か〜？」と声を出す。 　すぐに鎌田さん撃沈（笑）。ベッドに転がるように逃げ込んだ・・・。更に５分・・・。正面の窓には波が切れることなく叩き付けられて、前は全く見えなくなった。横の窓から見えるうねりは、黙って４〜５ｍ以上・・・。
もう釣りどころではない・・・。「せんちょ〜〜〜（×_×）」と思った瞬間。船が必殺のＶターン（笑）。するりと方向を変えて戻り始める。一瞬「ホッ」とするが、戻り道は逆風なので巨大なうねりを越えるのはさらにつらかった。 　１時間ほどかけて停泊地だったヒックスベイに戻った。時より風が吹くが風裏なのでうねり無し・・・。とりあえずアンカーを打つ。「本当に今日は終わったな・・・」と思う。すると「シマアジの群だって・・・」とムナディさんが通訳。見ると近くの海面がザワザワと波立っている。		「確か昨日の夕方もシマアジだと言いながらカウアイだったよな〜」と昨日見たほぼ同様の状況の海を見る。ライトタックルを取り出しキャスティング・・・。７センチミノーでは風が強すぎてコントロール不能。ナブラが近くに寄るまで様子を見る。 ・その隙に中野ちゃんはミノーマグロタックルに小さめのジグ（150g位かな？）でキャスティング・・・。ヒットするが、やはりカウアイだった。ナブラがなんとか射程距離に入ったのでおいらもキャスティング・・・。おいらにもカウアイヒット！昨日のツーキロキング並に引くので楽しい。		「TOORUさん、小さいジグかして〜」と鎌田さん。イワシカラーの３オンスジグを貸し出し・・・、鎌田さんすぐにヒット（笑）。ナブラが一度消え、少し離れた所に再び発生。アンカーを上げ潮通しの良い方に船を少し移動。再びアンカーを打つ。その後しばらく釣り続けるが、ナブラ沈静化・・・。 　魚の気配が無くなったのでミノーを６０ｇジグに変え、ボトム〜中層を探る。・・・が、昨夜同様全然反応無し・・・。ムナディさんがサビキを引っ張り出した。ガフ君は先ほどキープして置いたカウアイを３枚に降ろし刺身状にしてチャミングを始めた。
「チャミングにシマアジ寄るかな〜」と思う。おいらもスケベ心をだし、２本針の毛針仕掛けを登場させる。ジグを錘にして接続、底をとってゆっくりと動かして誘う。中野ちゃんはジグから１７センチミノーを風下のチャミングが効いているあたりにキャスティングするもノーヒット・・・。 　ムナディさんのサビキに何者かがヒット！ロッドを結構引き絞る・・・。「シマアジか〜？」と期待するが、カウアイのダブル（笑）。おいらには全然あたらないので、ガフ君からカウアイの切り身を２つ貰い毛針の針につける。 　しばらくするとヒット！したけど全然引かない・・・。ラインを張って聞いてみるとかすかな魚信・・・。アナハゼみたいのが釣れていた。「ニュージーランドアナハゼ」と命名する。顔がなかなかに可愛い。すぐにリリースする。 　今度はムナディさんがサビキにイカのゲソを付け始めた。「これでシマアジじゃぁ〜」と吠える。おいらに再びヒット・・・。再びアナハゼ（泣）。ムナディさんにヒット。ゴンゴンとロッドがしなる。「さっきより引いてるね〜」と皆期待する。		しかし、カウアイのトリプル（爆）。アナハゼしかかからないおいらに「TOORUさん、タナは中層よ〜」とムナディさんがアドバイス。「なるほど・・・」と10〜15mほどラインを巻いてロッドホルダーに差し込む。 　ちょっとしてゴンゴンとあたった。「シマアジか？カウアイか？」思いっきり曲がるおいらのロッド・・・。「TOORUさんロッド折れるよ〜」と声がかかる。上がってきたのは、やっぱりカウアイのダブルだった（笑）。しかも１匹が毛針とジグの２個食っていた。ほとんどホッケ状態（笑）。 　風は時折ピューピューと吹き続けていた。わずかに残っていた期待も消え去りに今日は完全に駄目と決定。「こうなりゃアワビとウニを食ってしまおう〜(^-^)/」「ついでにワインも飲んでしまおう〜(^-^)/」と全員一致。 「しかし、あの真っ黒ななのが気になるよね・・・」と言いながら中野ちゃんが調理に取りかかる。様子を見に行くとウニを殻から取り出して皿に盛り海水で洗っていた。見る見るうちに水分が取り除かれ締まっていくウニ・・・。しかしその身は白く濁っていた。雌雄同体のウニが受精してしまったのだ。こうなると苦みが出てイマイチなのだ・・・。		アワビを見ると中野ちゃんがたわしで擦った後が白くなっていた。「たわしで擦れば何とかなるかな〜」と思い、擦る擦る擦る・・・。おばちゃんアワビが２５歳くらいまで復活したのだった（爆）。後は中野ちゃんに任せて、ワインを飲みながら待つ。 　１個は薄造り、１個は火で炙ってからお刺身とした。薄造りの身を見ると中まで黒さが染みていて、なんかイマイチ。それに無茶苦茶堅い・・・。それにちょっと独特の匂いが気になった。一方、炙った方は柔らかく匂いもない。炙った方の圧勝・・・。白ワインが進む進む・・・（笑）。 　そこで手が出なかった薄造りの方をバター炒めにすることに・・・。酔っぱらった勢いでおいらが調理担当。バターでさっとソテーして、仕上げに醤油をちょっと垂らす・・・。結論：醤油バター炒めのブッチギリ・・・。バカ旨だった。あまりにもバカ旨だったのでおいらはワインを飲み過ぎ、ここいらから記憶断片的（爆）
とりあえず釣りに復活するも、片手にはワインのコップを握って続けるおいら。日が昇って顔を出し始めてしまったからなのか、なかなか釣れなくなってきた。おいらは流石に一息ついて、キャビンに戻り日本から持ってきたペットボトルの生茶を飲む。 　鎌田さんは遅れてキャビンに入ってきて、妙にニコニコしながらを思ったのか、仕掛けを作り始めた。「空のペットボトル無いかな〜？あれば浮きにして泳がせ釣りが出来るのだけれど・・・」と鎌田さん。おいらは飲みかけの生茶を飲み干して空にして進呈。めでたく泳がせ仕掛け完成。 　「カウアイ釣れたら教えてね〜」と鎌田さん。あんなに釣れたカウアイも来ないときには全く来ない・・・。しばらくしてムナディさん？のサビキにカウアイヒット。「鎌田さんえさ出来たよ〜」と呼ぶ。背掛けにして投入。しば〜〜〜らく、何も無し。		待っている間、すちゃらかステッカーとトロモンステッカーを船に貼る。そうしてるとペットボトルが引き込まれた。「あれペットボトル入ったんじゃない？」「鎌田さん、浮き入ったよ〜」と呼ぶ。・鎌田さんファイト開始。おいらはカメラを取りにキャビンへ走る・・・。 　更においらの記憶は朦朧・・・。 　なんとなく、でかいヒラマサが上がっていた。 　なんとなく、写真を撮った記憶あり。 　なんとなく、リリースされていた記憶あり・・・。 　後で聞くと２５キロあったらしい。 　おいらはワインのカップを持って歩き回り、デッキ上で滑りまくっていたらしい。 　その後は死んだように眠っていたらしい。		目が覚めるすっかり夜になっていた。みんなは晩飯を食ったあとだった。おいらの分はちゃんと取り寄せてあり、赤ワイン付きでありがたく頂いた（笑）。おいらが食べ終わる頃、ガフ君が伊勢海老カゴで伊勢エビを捕っていた。 　中野ちゃんが「これも食ってしまいましょう〜」と速攻で刺身にした。ワインと一緒に頂く・・・、メチャ旨い。エビを食べ終わる頃、ガフ君がトビウオをタモで掬った。中野ちゃんが「これも食ってしまいましょう〜」速攻で刺身にした。 　ワインと一緒に頂く・・・、メチャ旨い。ひととおり食ったところで「もう寝よか〜」ということに・・・。おいらは朦朧となったまま再びベッドに横になった。この頃には風はかなり無くなった感じだった。 　なんとなく明日は期待できそうだ・・・。

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